下村博文文科相が5月26日に開かれた政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)に出席した。財務省が公立小・中学校の教職員を平成36年度までに約4万2千人減らすとした合理化計画案に対し、「教育への投資なくして経済成長なし」と反論した。教育新聞などが報じた。
教育

下村文科相はこの日の会議で、発達障害による教育支援や日本語教育が必要な外国籍の児童生徒が増えていると指摘したという。こうした児童生徒を支援していく教員加配定数の増員を求めた。さらに、能動的な学び「アクティブ・ラーニング」などを実現する少人数教育の徹底を訴えた。また、幼児教育や学力強化の必要性も説明し「教育への支出は、負担ではなく先行投資。教育への投資なくして経済成長はない」と語った。

財務省は5月11日の財政制度等諮問会議で、27年度の公立小・中学校教員69万3500人を、10年後には全体の6%減の65万1千人にすると試算。これにより合計4万1912人の小・中学校教員が減ることで人件費の国庫負担を780億円削減できるとした。文科相の発言は、この削減案に対して行われたもの。近年、学校は少子化によりクラス数が激減している。しかし学校運営にあたっては従来通りの教員数が必要であることに加え、障害児教育や不登校児童・生徒への教育なども求められているため教員1人ひとりへの負担が激しい。一部の学校では1クラスを2人の教師で担当するといった試みも行われているほどである。たしかに正規教員を減らせば人件費が浮くものの、不足を補うためにスクールボランティアや臨時採用教師が相当数採用されている現実があるため、一概に経費削減に繋がるとも限らない。なにより学校教育充実のためには正規教員の存在は絶対不可欠である。今後も論点になっていきそうだ。


(関連)

財務省の教員削減案に文科相が反論(教育新聞)
http://www.kyobun.co.jp/news/20150601_01.html


赤松伊織