次世代の党の和田政宗参議員議員がまた一つ、戦後レジームを解き放った。

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2015年5月20日の党首討論で、日本共産党の志位和夫委員長の質問に対して、安倍総理はポツダム宣言を「つまびらかに読んでいない」と答弁。

その後、「安倍総理はポツダム宣言を読んでいない」と批判・揶揄する声が各報道や世論からなされた。

志位もまた、翌日の記者会見で、「事実誤認がある。本当に読んでいなかったことがうかがえる」と安倍総理の答弁を勝ち誇ったように皮肉っている。

追い討ちをかけるように、維新の党の初鹿明博衆院議員は質問主意書で「一度も読んでいないのか。読んだことはあるが記憶に残っていないのか」と迫り、政府は6月2日、「具体的な発言の通告が事前になされなかったため、(ポツダム)宣言の正確な文言を手元に有しておらず、そのような状況で具体的な文言に関する議論となったため、つまびらかではないという趣旨を申し上げた」「当然、読んでいる」と答弁を行った。

この政府答弁もまた、報道による印象操作によって、安倍総理と政府が「逃げ」を打っているかのように報じられたため、様々な議論を呼んだ。

ここで、ポツダム宣言についてもっとも本質的な質問主意書をぶつけたのが、和田政宗である。
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和田政宗は下記の内容を質問した。

1.ポツダム宣言における「世界征服」という文言の認識について。
2.サンフランシスコ講和条約締結時、吉田茂首相は「講和條約ができた以上は、ポツダム宣言にかわるものであり、) 従ってポツダム宣言は効力を失する」と答弁している。現政府もその認識で良いのか、また、同宣言第六項の「世界征服ノ挙ニ出ツルノ過誤ヲ犯サシメタル者ノ権力及勢力ハ永久ニ除去セラレサルへカラス」 及び第八項の 「 「カイロ」 宣言ノ条項ハ履行セラルヘク」 についても、 効力を失すると認識して良いのか。

これに対する政府答弁は、下記の内容であった。

1.について
 ポツダム宣言第六項は、その当時の連合国側の政治的意図を表明した文章であり、その詳細について政府としてお答えする立場にないが、わが国は同宣言を受諾して降伏したものである。

2.について
 ポツダム宣言は、日本国との平和条約(昭和二十七年条約第五号)により連合国との間で戦争状態が終結されるまでの間の連合国によるわが国に対する占領管理の原則を示したものであり、同宣言の効力は、同条約が効力を発生すると同時に失われたと認識している。
 
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・ポツダム宣言にある「世界制服」は、あくまで連合国側の政治的意図の表明でしかない。
・ポツダム宣言はサンフランシスコ講和条約締結時に、すでに失効している。

この史実に基づく歴史認識を、政府レベルから一般常識にいたるまで、和田政宗の質問趣意書と政府答弁があらためて示したのである。

今後の安全保障などに関する国家質疑でも、この史実に基づく歴史認識の常識を各議員が踏まえているかを、有権者である私たちは監視する必要があるだろう。
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特に、ポツダム宣言の文面で安倍総理に「クイズ」を出し、勝ち誇ったようにとうとうと語ってみせた日本共産党の志位和夫委員長においては、ポツダム宣言がすでに失効している史実の認識があったのか、もし知っていたのなら、なぜわざわざ党首討論でことさらに話題にあげたのか、その説明責任を果たす必要に迫られている。

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http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/189/syup/s189146.pdf
質問第一四六号
ポツダム宣言とサンフランシスコ平和条約についての政府の認識に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。
平成二十七年五月二十八日
和田政宗

ポツダム宣言とサンフランシスコ平和条約についての政府の認識に関する質問主意書

平成二十七年五月二十日の国家基本政策委員会合同審査会において、安倍総理は、ポツダム宣言 (以下「同宣言」 という。) 第六項に記された 「世界征服」という文言についてその認識を認めるか否かを問われ、 「ポツダム宣言を我々は受諾をし、そして敗戦となった」、「ポツダム宣言を私たちは受け入れて、これがまさに戦争を終結させる道であった」と答弁したが、「世界征服」という文言の認識について安倍総理から明確な答弁が得られなかった。

この質疑を踏まえ、 以下質問する。


 同宣言第六項に記された 「世界征服」 とは何を意味すると政府は認識しているのか、具体的に明示されたい。 また、 政府は、 同宣言で記された 「今次ノ戦争」の目的が「世界征服」であることを認めるのか否か、 具体的な理由と共に明示されたい。


 サンフランシスコ平和条約 (以下「同条約」 という。) には、 我が国の戦争責任に関する記述がない。
第二次世界大戦の他の講和条約では他国の戦争責任について明言されているにもかかわらず、 同条約に我が国の責任が明言されていないことは、 同条約の一 つの特色であるとの評価がなされている。
 同条約をめぐっ ては、「講和條約ができた以上は、ポツダム宣言にかわるものであり、従ってポツダム宣言は効力を失する」 との吉田総理の答弁 (昭和ニ十六年十月十八日衆議院平和条約及び日米安全保障条約特別委員会) があるが、 現在における政府の認識も、 「ポツダム宣言は効力を失する」 との認識でよいのか、 政府の見解を具体的に明示されたい。 また、「ポツダム宣言は効力を失する」との認識であるのであれば、同宣言第六項の「世界征服ノ挙ニ出ツルノ過誤ヲ犯サシメタル者ノ権力及勢力ハ永久ニ除去セラレサルへカラス」 及び第八項の 「 「カイロ」 宣言ノ条項ハ履行セラルヘク」 についても、 効力を失すると認識してよいのか、 政府の見解を具体的に明示されたい。

右質問する。
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2015年6月5日
http://ameblo.jp/wada-masamune/entry-12035275710.html
参議院議員和田政宗君提出ポツダム宣言とサンフランシスコ平和条約についての政府の認識に関する質問に対する答弁書

一について

 ポツダム宣言第六項は、その当時の連合国側の政治的意図を表明した文章であり、その詳細について政府としてお答えする立場にないが、わが国は同宣言を受諾して降伏したものである。


二について
 ポツダム宣言は、日本国との平和条約(昭和二十七年条約第五号)により連合国との間で戦争状態が終結されるまでの間の連合国によるわが国に対する占領管理の原則を示したものであり、同宣言の効力は、同条約が効力を発生すると同時に失われたと認識している。
toubensyo
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2015年6月6日
天之加久矢

参考:
ポツダム宣言「本当に読んでないようだ」 志位氏が皮肉
朝日新聞DIGITAL(2015/5/22)
http://www.asahi.com/articles/ASH5P55GFH5PUTFK00G.html

ポツダム宣言「当然、読んでいる」 内閣が答弁書
朝日新聞DIGITAL(2015/6/2)
http://www.asahi.com/articles/ASH625K6YH62UTFK00M.html

ポツダム宣言「当然、安倍首相は読んでいる」 閣議決定 あの答弁は何だったの?
安藤健二
ハフィントンポスト(2015/06/3)
http://www.huffingtonpost.jp/2015/06/02/potsdam-abe-reading_n_7498220.html