端的に述べると、暴行とはそのままの意味で暴行を加えることであり、傷害とは暴行によって身体的・精神的に怪我やダメージを負うことだ。暴行と傷害の違いとは、結果が目に見える形で表ているかどうかで決まる。当然ながら暴行罪よりも傷害罪の方が罪が重い。
暴行

他にも違いがある。暴行罪は親告罪(=刑事告訴がなければ起訴できない犯罪のこと)であるが、傷害罪は非親告罪だ。また、暴行罪と傷害罪は罪の重さが違う。これは刑法を並べて見てみるとよくわかる。
暴行:刑法第208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

傷害:刑法第204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

実際に例を挙げてみよう。今月17日に行われた参院特別委の安保法案採決直後。自民党の大沼瑞穂参院議員(36)は、津田弥太郎参院議員(63)から羽交い締めにされセクハラを受け、引きずり回された上に投げ飛ばされるなどの暴行を受けた。このシーンはテレビのニュース番組等でもよく映像が流れたため知っている方も多いことだろう。これによって大沼議員は右手に突き指の怪我を負った。このことは小指と薬指に包帯を巻いている後日の大沼議員の状態からも確認できる。
大沼議員

ということは、もしも津田議員が告訴された場合には、暴行罪ではなく、それよりも罪が重い傷害罪になる可能性が高いといえる。なお国会内で起きた事件・事故は国会法に基づき処理されるが、参議院の会期は今月27日で終了であるから、その後は通常の事件と同じ処理がなされ、傷害であるから非親告罪でも告訴に踏み切れるということだ。


(参照)

刑法第208条(WIKIBOOKS)
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%88%91%E6%B3%95%E7%AC%AC208%E6%9D%A1

刑法第204条(同上)
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%88%91%E6%B3%95%E7%AC%AC204%E6%9D%A1


赤松伊織