国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に、10日、中国が申請した「南京事件」に関する資料の登録が決まった。世界各国で報じられ、日本でも複数メディアが報道した。これに対し日本人の怒りが爆発、とんでもない事態を引き起こしている。
ユネスコ

■政府の対応
日本政府は、同日、登録申請した中国政府に抗議する方針を固め、ユネスコに対しても制度に不備があると改善を求めることを決めた。外務省の川村泰久外務報道官は登録決定直後に中国とユネスコを批判する談話を発表、「南京事件は日中間で見解の相違があることが明らか」「中国の一方的な主張に基づき申請され、完全性や真正性に問題がある」「登録されたことは中立・公平であるべき国際機関として問題であり極めて遺憾だ」と述べた。記憶遺産制度についても「文書遺産の保護やアクセスの確保を目的とするユネスコの事業であり、政治利用されることがないよう制度改革を求めていく」と強調した。
また、2014年度のユネスコ予算は、日本の分担率が米国の22%に次ぐ10.83%。金額にすると約37億1800万円だ。現在は米国が支払いを停止しているため、日本がユネスコ予算の分担率トップの状態。さらに分担金以外でも、さまざまな事業に対する任意拠出金があり、同年度のユネスコ関係予算は計約54億3270万円にのぼっているという。そのため日本政府筋は「断固たる措置を取る」と述べ、ユネスコの分担金拠出などの一時凍結を検討する構えをみせるなど徹底した抗議を行っていくという。

■ネットの反応
インターネット上では中国とユネスコの態度に憤慨した日本人が大勢現れ、掲示板サイトやTwitter、フェイスブック、個人ブログ、まとめサイト等、さまざまなサイトで糾弾する声が相次いだ。10日だけでそれらに関連する書き込みや記述は約1200万件(豊受真報推計)にのぼった。Twitterにおいては「ネットデモ」と称される一種の“祭”も行われ大炎上状態に。首相官邸や政府各省庁への“凸”(とつ=意見や抗議、主張をぶつけること)行為の呼びかけも行われ、ネット全体が激しく動いた。個人ブログなどをもっている国会議員や政治家、活動家もこの問題に触れ、それが拡散されるなど大荒れの状態となった。これは11日現在でもまだ続いている状態だ。
中でも、南京事件のウソについて触れているものが多く、事件自体が中国のでっち上げであるといった内容が多い。実際に中国側は南京事件についてきちんとした資料を持っておらず、年度によって「虐殺された」とされる人数もまちまち。毎年ごとに報告されている被害者の数が増えているような状況で、2015年現在では「30万人虐殺された」などと主張を展開。当時の南京は90万人の都市だったため、年々中国側の主張の信憑性が薄れていっている状態だ。

■中国側の反応
一部の中国メディアでは決定が報じられた直後に「対日カードが増えた」などと報じられていたが、11日現在では日本の反中感情に恐れを抱いた内容の記事が散見されている状況。また遺産化に携わった中国人らの喜びの声なども伝えていたが、日中対立の溝がさらに深まるとして慎重論も報じられている。

■世界の反応
中国側の陰謀論に言及する声が多く、疑問をもつ人々が多いようだ。メディアは事実のみをたんたんと伝え、10日まで特に日中間の対立についてまでを報じているものはなかった。

■その他
中国側がユネスコに南京事件の遺産化を申請していたことは事前の情報で明らかになっていた。そのため政府や外務省が事前に予防しなかったことも人々の怒りの一因となっているようだ。ただしユネスコへの拠出金凍結を支持する声は多く、政府の動向と今後の対応に期待が集まっている。


(関連)

【世界記憶遺産】反日カードにユネスコのお墨付き得た中国 「これは平和の勝利」と記念館館長
http://www.sankei.com/world/news/151010/wor1510100046-n1.html


赤松伊織