今年も、今月はじめ、ノーベル賞受賞者が発表された。日本人は、物理学では梶田隆章教授(東京大学)が受賞、ニュートリノが質量をもつことを示すニュートリノ振動の発見した功績が世界に認められた形だ。昨年も物理学賞では、赤﨑勇終身教授(名城大学)、天野浩教授(名古屋大学)、中村修二教授(カリフォルニア大学)が3名同時受賞、青色LEDの開発の功績が世界に認められていた。これで2年連続日本人が物理学を制したことになる。これについて、専門家や情報通の間である憶測が乱れ飛んでいる。
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その憶測とは、「来年も物理学賞を日本人がもらうのは安泰なのではないか」という説。にわかに信じがたい説であるが、要旨は次の通りだ。

青色LEDについては、おおまかには、開発されたのが1983年、高品質化に成功したのが1986年、発光ダイオードとして実現させたのが1989年の出来事だ。それが2014年になって功績を認められたわけである。また、ニュートリノ振動については、予測が生まれたのが1957年、実際に観測が成功したのが1998年、学説として認められたのが2010年の出来事だ。それが2015年になり功績を認められたことになる。それぞれだいぶ昔の出来事が今になってのノーベル賞受賞に繋がっているのだ。実は物理学賞に関して、日本人はまだ候補とされる開発がいくつも控えている。その代表としては、カーボンナノチューブやインフレーション宇宙論、強磁性半導体の開発などなど。物理学に詳しい専門家の間では、青色LEDもニュートリノ振動もこれまで受賞候補に挙げられていたものだった。それらの残りの候補が順次、ノーベル物理学賞に選択される可能性は今後も非常に高いといえるのだ。

また情報通によれば、ノーベル賞は1年で1つの国に何種類も成果を認めるものではなく、国々の反発を招かないよう少しずつ公平に受賞させる仕組みをとっているのだという。そうだとすると、まだ候補が控えており何年も昔のものが2014年から認め始められた日本は、物理学賞を今後も受賞する可能性がかなり高い状態にあるといえるわけだ。・・・ただし、このような憶測もある。「2年連続で物理学賞を受賞してしまった日本はしばらく受賞できないのでは?」

結局のところ、ノーベル賞は選考基準も公にされていないし、受賞するまで詳細は伏せられたままだ。実際に物理学賞を来年も受賞できるかどうかについては来年の当日になってみない限りわかることではない。しかし、日本にはまだ物理学賞に値する成果を残している研究者がいることも事実。来年も物理学賞で日本人受賞者が出るか否か?期待が高まる。


赤松伊織